百年もののデクロトワール

マルコは野原を歩いて魔術師のところへ向かった。
彼のブーツは泥で汚れていた。
魔術師の家に着いたが、汚れたブーツのままでは入れなかった。
彼は敷居の下から鉄のかけらを取り出し、それでブーツを磨き、その鉄のかけらを胸にしまった。
家に入ると、魔術師はすぐに自分の物を無断で取られたことに気づき、戸口から言った。
「求めに来たものはやらん。しかし、取ったものは自分のものにせよ。それで終わりだ、さようなら。」
マルコは落胆したが、どうすることもできなかった。
家に戻り、その鉄のかけらを鍛冶屋に渡した。
鍛冶屋は賢く、それが何であるかすぐに悟った。
鍛冶場で焼き入れし、鎖につけて帯に掛けた。
その鉄でブーツを磨くと、道はいつも正しい場所へと導いた。
今、それはあなたのものだ。

イタリアのプーリア地方で発見された百年もののデクロトワール(靴の泥落とし具)。
鉄、黒塗装、魔術的な一着。
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