#5 グレーのイラクサ ベーシックジャケット

丘をさまよい、地下への入り口を見つけた。
下へ降りて回り、樫の木の扉を見つけた。
一度ノックしたが返事はなかった。二度ノックしても静かだった。
三度ノックすると遠くから遠吠えが聞こえた。
その扉の向こうには地下の風がいると知った。
風を解き放ち、その背にしばらく乗った。
旧友に別れを告げるように手を振り、後ろ向きに歩いて帰った。

このジャケットは、19世紀ロシアの季節労働者「オトホードニク」の衣服から着想を得て作られたスリムフィットモデルです。
彼らは都市で働くために故郷の村を離れたが、村社会の一部としての自覚を持ち、都会人とは考えていませんでした。

洗い加工されたグレーのイラクサ生地に象牙色のウォッシュドコットン裏地。植物性タンニンなめし革ボタン。
魔術的な一着。